くまみこ最終回騒動にて思う。

TVアニメ「くまみこ」はなぜ炎上したのか? 原作者も「あの発言は、酷いなあ」と苦言


「くまみこ」というアニメは全く見ていなかったのですが、上記記事を見て若干気になったので最終話だけニコ動で視聴してみました。
率直に感じたのは……



なんか、これ、「おそ松さん」最終話と似ていないか?



ということ。


基本的に日常系ギャグアニメという点も似ていれば、最終話に至る話の展開も似ている。
今までの日常を捨て、まちが都会に出るか。
今までのニート生活を捨て、6つ子が家を飛び出していくか。
どちらも、最終局面において「変わるか、変わらないか」の選択を迫られる。


で、どちらの作品も最終話では
「変わらなくていい」という結論にたどりつく。
まちは結局村へ戻り、6つ子たちもニート生活に戻っていく。


ほぼ時期を同じくした日常系ギャグアニメが殆ど同じ結論を出したのも興味深いけど、
さらに興味深いのは、同じ結末に見えるこの二つの作品で、何故こうも評価が割れたのかということだ。


そりゃおそ松さんの最終話にも色々と批判はあったし、私も全面的にあの結末を支持してるわけじゃない。
しかし、今回の「くまみこ」ほどの炎上騒ぎには至らなかった。
おそ松さんが炎上せず、くまみこが炎上したのは何故なのか。
考えられる原因を探ってみると

①演出力の違い
②ファン層の違い
③原作とのかい離

大きく分けてこの3つなのかな?と思った。



①演出力の違い
おそ松さん24話と最終話のシリアスとギャグの落差は、もはや伝説級。
24話において、これ以上ないほどのシリアスでおそ松兄さんを置いて自立していく6つ子たち。
しかし最終話では、それまでのシリアス時空が開始数秒で大逆転する。24話の葛藤はどこへやら、6つ子たちは長男の「センバツ」の一言で一瞬で松野家に戻ってきてしまう。
この展開には批判・反論は様々あるし、私も未だに納得はしていないが、この大逆転ぶりが多分アニメ史に残る級なのは間違いない。
そして、多くのファンが許せてしまうほどにギャグに振り切った最終回だった。

対して、くまみこはどうだったかというと……
最終話だけを見た印象だと、あれは何となく、「おそ松さん24話の続きをそのまま無理矢理やろうとして、最後をギャグで落そうとして失敗したケース」のようにも思える。
まちが石を投げられる被害妄想にとらわれ、そのまま挫折してナツの胸に戻っていく一連のシーンは、スタッフの意図としてはもしかしたらギャグのつもりで描かれたのかも知れない。
だけど、多くの視聴者にはとてもそうは見えず、ホラーなバッドエンドとして受け止めるファンも少なからずいた。
挫折や後退をギャグとして軽めに描いて落としどころとしたつもりが、そこまで演出が振りきれていなかった(もしくは、被害妄想の描写・演出が異常に深刻だった)為に視聴者はそう受け止められなかったのかも知れない。


……だからといって、くまみこでセンバツやれってのも無茶な話だけどw



②ファン層の違い
男性は変化を求める傾向が高い。
女性は現状維持を求める傾向が高い。
くまみこのファンは男性が多く、おそ松さんファンは女性が多い。
となると、同じ「現状維持」の結論を出した両作品でも、ファンの反応が相違してくるのは当然なのかな?
……あまりにも短絡的にすぎるけど、ちょっと脳裏に浮かんだ説。


例えばおそ松さん最終話で、チョロ松が会社で挫折して結局松野家に戻ってきて、まちの如く「僕はこのままニートでもいーんだー♪」みたいにおそ松兄さんの胸で幼児退行状態で終わっていたらどうだったのか、って考えると……
意外と、案外、受け入れるファンは多い気はする。
むしろ「あの」センバツ最終話よりも批判は少なくなった気がする。ラストのラストで「やっぱり僕、就職する」とかチョロ松が言い出せば個人的にも文句なし。


男女の違いというよりも、「ファンがキャラに望んだ結末」の違いかな?
おそ松さんにおいて、多くのファンが6つ子に求めた結末は「ずっと童貞ニートでわちゃわちゃしてくれること」だったけど、
くまみこにおいてはそうじゃなく、ファンはまちに少しずつでも前進してくれることを望んでいたから……と考えたほうがしっくりくるかも知れない。



③原作とのかい離

今回のくまみこ炎上事件で、一番よく目にする意見がこれですね……
「あのキャラはあんなことを言うキャラじゃない!!」というもの。
実際、あるキャラがありえない発言をしていた為に、原作者のかたが苦言を呈したとか。
当方、何度もブログで書いたとおりこのテの発言は好きじゃないですが……原作者までが同じような発言をされたとなると、若干話は違ってきます。
それはつまり、キャラを生み出した原作者の考える許容ラインを超えてしまったということなので。
(ファンの考える許容ライン、ではなく、キャラを作った創造主の許容ライン


対して「おそ松さん」はご存知のとおり、赤塚先生の偉大な原作はありますが、6つ子のキャラはほぼオリジナルです。
6つ子たちは「くん」時代のキャラから完全に外れ、自由奔放に色々とやらかしてしまっております。
が、それでも、超えちゃいけないラインはきっちりあった。
そのうちの一つが、「食べ物を粗末に扱う」ことだと個人的には考えています。この記事にも書いたとおり。


(話がちょっと脱線しますが……
十四松のパフェについては、たまたま7話だけの演出かな?とも思いましたが、それ以降の話でも食べ物を粗末にする描写は出てきませんでした。
辛うじて引っかかるのは13話のチョロ松ですが、あれも鍋の中身をちょっと兄さんにぶっかけただけ。鍋そのものをひっくり返すまではしなかった。ポン酢の瓶を投げてはいますが中身そのものをぶちまけたわけではないし、投げた瓶が割れた描写もない。
ファイナルシェーでも、おそ松が枝豆を皿ごと投げる描写がありますが、枝豆は散らばりはせず見事に拾われてしまいます。
決定的なのは24話、お寿司をひっくり返した十四松に対して本気でキレた長男。
きれいに作られた食べ物を粗末にすることだけは、松野家でやってはならないタブーであり、「おそ松さん」における超えちゃいけないラインであることの象徴だったんだなぁ……と改めて思った。
え、無限コーヒー?……アアアアレは一応飲み物であって食べ物じゃないからギリ……
え、クリスマスケーキ?……アレ、食べ物じゃないし……
え、へそウォ?……アレ、本編じゃないし……)


原作者や、それまでの話で積み上げられてきたキャラの行動の、最低限超えちゃいけない「ライン」。
くまみこでは最後にきて、それを破ってしまった。
該当のキャラについてはよく知っているわけではないけど、「村の為にまちを贄に」のような発言は、ほのぼの日常ギャグアニメの中ではかなり異彩を放っていたように思う。
(最初まとめサイトで話だけ聞いた時は、またこのテのサイト特有の拡大解釈かと思ったけど、実際見てみたらまんまだった……)
ヒロインが日本を救う人柱という設定だったブルーシードでさえ、ヒロインを人柱にしようという発言をするメインキャラはいなかったのになぁ。




つまりアニメ「くまみこ」最終話は、おそ松さんで言えば
・最終話においてセンバツの手紙が松野家に届かず、6つ子たちが(24話のシリアス時空の延長線上で)挫折し、松野家に戻ってきて長男に抱かれて幼児退行を起こし、おまけにチョロ松が立ち直りの兆しを見せず

さらに

・トッティの作ったパフェを十四松がぶん投げて破壊し、おそ松にキレたチョロ松が鍋を鍋ごとおそ松にぶん投げる描写があった

これに等しい事態が起こっていたとも言える……のかな?




「変わらなくったって、いいじゃないか」
という、奇しくも同じ結論に到達し、色々と賛否両論が巻き起こった両作品。
私たちは変わらなくてはならないのか、それとも変わらなくてもいいのか──
この問題に関しては、コンレボでもまた興味深い結論が出されているわけですが、それはまた今度。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

素戸乃かや子

Author:素戸乃かや子
ガンダムSEEDとミンサガ中心にアニメ・ゲーム・漫画・小説・映画その他何でも色々語っていこうというブログです。
本サイトにて、ガンダムSEEDサイ小説およびミンサガ攻略顛末記連載中!!
pixivにておそ松さんSS(チョロ松中心)、種小説(修正版)を時々投稿しております。
※ゲームに関してはブログ・サイト共々ネタバレ全開です。ネタバレ不可な方は全力で回避をお願いいたします。



アクチュアリーゲットに向けて邁進中。……のはずだったのですが、あまりにもテキパキ行動を要求される時代と環境に嫌気がさし、2008年9月、日本・アンチテキパキ党ブログ開始! そして2015年2月に会社を退職。アクチュアリーからは解放されましたが、現在専業主婦中……


2012年10月、妊娠中期における人工流産を経験しました。
それについても、身体と心が落ち着き次第少しずつ整理して書いていきたいと思います。
現在はSEED小説やミンサガを書きながら、精神の平静を取り戻しつつ、今後のことも考えつつ・・・な状況です。相変わらず周囲の支えが欠かせないです。

ランキング参加中です↓
にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村


にほんブログ村



にほんブログ村 ゲームブログ RPG・ロールプレイングゲームへ
にほんブログ村


にほんブログ村

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
207000人くらい(楽天分)+
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR